モユワはミャンマーでアニャと呼ばれる地図で言う所の上部の地方に属しており、
アニャー地方でも上部になる。内陸のせいか、夏場は現地のミャンマー人でも
暑さに閉口するくらいの暑さで、その暑さは半端ではない。町には大学もあり、人も多い。
町を歩くと立派な家が目に付く。それらの家の持ち主は、木材で財を成した人が、
多いという話だった。
私は所用があって2度訪れたが、2度とも乾季末の暑い盛りで、聞きしに勝る
その暑さには驚いてしまった。エアコンが全く効かず、窓を開けて走っていると、
熱風が車のウィンドウから吹き込んできて、風は涼しい物だと言う認識が一変してしまった。
1度めは日帰りで、マンダレーから片道6時間ほどの道のりを、ひたすら暑さに耐えて、
車に乗っていると、ビールとエアコンがただ懐かしく、町に着くや否や、ホテルに飛び込み、
ビールを飲んで、昼間から良い気持になってしまった苦い記憶がある。
その時は町の景色を見る気力も余裕もなく、ひたすらビールを飲みながら、
なかなか連絡の取れない商談相手が来るのを待っていた。
2度目はそれに懲りて、一泊の日程で余裕を持たせた。
この時ちょうど、寺が主催する祭りが催されており、商談が終わったあと、
興味もあり祭りを覗いてみた。日本の縁日の祭りを思い起こさせるような祭りで、
懐かしさのあまり、つい見入ってしまった。
モユワの中心街 |
モユワのパゴタ、大きな仏像が印象的だった。 |
祭りのために作られた観覧車、素朴で規模も小さく、 作りも少しオッカナイ気がしたが、現地の人は 喜んで乗っていた。 |
会場とパゴタを繋ぐ特設ゴンドラ、私が写真を 撮ろうとしたらわざわざゴンドラをとめてくれた。 |
私達が泊まったコテージ風の洒落たホテル。 |
モユワを流れるイラワジ川の夕暮れ |
モユワの近郊
モユワから20マイル程、更に上ると、湖があって、そこで薬になる藻が採集され、
薬が作られていると聞いて行って見た。20マイルほどの距離と聞いて一時間ほどと
時間を読んだのだが甘かった。道は舗装されておらず、馬車や牛車の轍で荒れており、
のろのろと2時間近くを要した。小高い丘を登りきると、木立の切れ目が見え、
道路はその切れ目に続いていたが、上向きの車と、急な坂でいきなり崖に直面したような
錯覚に陥った。車の向きが水平に保たれて、視界に入ってきたのが写真の風景だ。
ここで採集され生産されたクロレラに似た薬はヨーロッパなどにかなりの量が
輸出されていると聞いた。
小高い丘を登って突然目の前に現れた エメラルド色の湖に感激する。 |
湖は緑色の藻で覆われ、何かとんでもない 動物が住んでいそうな神秘さを感じだった。 |
藻はこのようにして採集されていた。 |
採集した藻を乾燥している所。 |
世界一の大仏
モユワからの帰り、場所の名前は忘れたが世界一の仏像を今造っている場所があると聞いて
そこの向かった。まだ全部が完成してはいなかったが、その敷地の広大さと、スケールの
大きさにただ感心するだけだった。こんな物ばかり作っていたら、国中がパゴタと寺だけに
なってしまうのではないかと、老婆心ながら心配する。教団もお金が余っているなら、
この国のためには、もっと有効に使うこともあるだろうに。余計なお世話か。
↑ 涅槃仏も大きかった。私のカメラでは全体を 写しきれない。 |
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右もパゴタの敷地内に点在する仏像の 一つ。下に映っている子供との比較でも その大きさが窺い知れると思う。 |
タンモッデパゴタ
上記のパゴタから30分ほど車で走るとタンモッデパゴタがある。帰り道なのでついでに
寄ってみた。パゴタの名前の由来が、町の名前か、このパゴタを寄贈した人の名前かどうか
忘れてしまっており、パゴタの名前も一度聞いているとは思うのだが忘れてしまった。
それで写真に写ったパゴタの名前を記入したのだが、その字もパリー語で書かれており、
この読み方も正確かどうかは解らない。真にいい加減でもうしわけないとは思うのだが、
このパゴタの作りが、今まで見てきたミャンマーのパゴタと比べて、趣が少し変わって
いるように思えたので、紹介しようと考えた。
建築様式が他のパゴタと全く異なり、 タイで見た建築様式に似ているように思える。 上の写真でパゴタの名前を読む事が出来た。 |
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内部の仏像。ミャンマーの仏像と少し違うと 思うのは私だけなのかは解らないが、 とても優しいように思えた。 白く模様のように見えるのは、皆小さな仏像だ。 |
モユワの漆
モユワでも漆の細工物が作られている事は、前から聞いており、パガンの漆と
どう違うのか、知りたいとは前から思っていた。商談した相手が、結構町の有力者らしく、
彼の案内で漆の工房を見ることが出来た。細工の過程自体はパガンと大して
変わらないと思うのだが、塗りに特徴があった。良く言えば大胆、日本人が好む繊細さとは
少し異なった趣があった。これも好みだから何とも言えないが、この趣で日本人に
どんな商品を提案して作らせようか考えると、少々尻込みしてしまう。