インレー湖  

 マンダレーを出てメイティーらを通過し、山道を8時間ほど走ってやっと湖に着いた。想像していたよりもはるかに厳しい道のりで、高度も高く、1500メートルほどの山越えになるとは、地図を見て計画したときには想いもしなかった。山は想像していた熱帯ジャングルとは異なり、どこか日本の山に似ていた。ぼんやり考え事をしてると日本の山道を走ってると錯覚しそうだった。植物の生態も高度が上がるごとに変わっていく。植林されていたチークが少なくなって、山頂に着く頃は松や杉が多くなってきた。竹も見たことも無いような直径が25センチもありそうな太い竹があり、それを使って何か面白い器が出来るのではと思った。峠にあたる平原を1時間ほど走るとまた山道を下り始めた。反対側の遠くに同じような山がいくつも重なって見えた。インレー湖は四方を山に囲まれその盆地の中に、その山から滲みだした水が集まり作られたと説明を受けた。今年は雨が多いらしく、湖に続く道も、もう少しで水に沈みそうだった。とりあえず湖をクルーズしようと船を借りた。費用は1隻5ドル、6人ぐらいは楽に乗れるし、スピードも思ったより速い。船頭つきで半日くらい借りて5ドルは安い。最初は湖の反対側の岸辺にある水深を測るマークまで、まっしぐら疾走していった。これで帰るだけではつまらないなと心配していたら、その後、水耕栽培の棚田の間をゆっくり進みながらパコタや、土産を売ってる工場兼売店を廻ってくれた。古びたお寺に寄ったときのこと、ミャンマーの建築様式とは余りにも違うのでビルマ人に聞くとこれはパコタではないと返事があった、それでは何なのか聞いたが通じなかった。お坊さんが住んでいるのでお寺には違いないなと想像した。そのうち猫がやたらと多いのに気がついた。湖の中のお寺になぜ水の嫌いな猫が多いのか不思議だったが、その寺に上がって話を聞き、やっとなぞが解けた。最初は何匹かだったのが、お坊さんが可愛がっているうちに、近所の人が置いていくようになったとの事らしい。お賽銭のチャットが利いたか、日本人の私が珍しいのか、お坊さんに話しかけられ、お茶をご馳走になり、その後猫の曲芸まで見せてくれた。曲芸は単純なもので30センチほどの輪の中を腰くらいの高さでくぐらせるだけのことなのだが、それでもヨーロッパのどこかの雑誌にそのことが掲載されたらしく、写真付きの記事が載った雑誌を自慢そうに見せてくれた。

インレー湖の水耕栽培用の棚
寺院 どのような理由か猫が沢山住み着いていた。
ビルマ人に聞くとパゴタではないと言う。そういえば
この近くに別の立派なパゴタがあった。
その寺院で見せてくれた猫の曲芸
その寺院にあった仏像
インレー湖の漁師
足で器用に艪をこいでいた
湖面を疾走する観光用のボート。

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